2007.09.08

イカメシ

電気圧力鍋を買った。「圧力鍋はガス」と思いこんでいたところ、電気の圧力鍋があることを知り、ピンと来るものがあったからだ。

我が家ではガスの圧力鍋を使っているが、火力調節と火の見張りの煩わしさに不満があった。それが電気圧力鍋では解消できるはず、とナショナルから発売された新製品を買うことにした。

説明書を読むと、思ったより操作は簡単なようだ。材料を鍋に入れ、フタを閉じるるところまではガスの圧力鍋と同じ。電気の場合、圧力の強弱と調理時間を指定できるようになっているのが特徴で、最大のメリットになる。

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ものは試しで、9月1日のクロムツ釣行のスルメイカが冷凍してあるのでイカメシを作ってみた。作り方は商品に同梱してあるレシピ集を参考にした。

ゲソを小さく切り、刻んだ椎茸や生姜と一緒に餅米に混ぜる。それを胴体に7分目ぐらいまで詰めて爪楊枝でフタをする。

鍋にダシ、醤油、みりん、酒、砂糖で作ったタレとイカをを入れて、フタを閉じたらタイマーを7分にセットしてスイッチを押す。あとは待つだけの簡単レシピだ。蒸らし時間までいれると約20分で完成した。

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できあがったイカメシは、米の芯までしっかり火が通っていて味もよく染みていた。電気圧力鍋は期待通りのお手軽さで使うことができ、調理のスピードも予想以上だ。魚料理以外のいろんな料理に使っても面白そうで、楽しみがまた一つ増えた感じだ。

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2006.08.19

クロムツのチャーハン

魚がたくさん釣れたときはいろんな料理にチャレンジできる。好釣果のクロムツを具材にチャーハンを作ってみたら、これがなんともおいしかった。こんなチャーハンは絶対に中華料理店では出てこないだろう。エビやカニを使った高級チャーハンにも負けない味だ。

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8月11日の釣行で持ち帰ったクロムツは全部で15尾。刺身がいくらおいしいからといっても食べられる量には限界がある。そこで、ピチットシートという脱水シートを使って、保存用の”干物”にした。

干物作りでは塩を使って魚の水分を抜き、天日などで乾燥させる。ところがピチットは塩を使わなくても干物ができる優れものの調理用品なのだ。塩を少し振った方が魚の旨みを引き出せると考えて、通常の干物に使う量の半分ほどで作ってみた。

3枚におろしたクロムツに塩を軽く振って、ピチットシートに挟み冷蔵庫で寝かせる。丸一日してシートを剥がすと内側に水分がたまっているので、水分が吸収されたのがわかる。それでもクロムツにはしっとりと水分が残っていて、刺身にできるぐらい色つやがいい。

チャーハンはクロムツを焼いてほぐした身をいっしょに炒める。2人前で半身を使ったらちょうど良かった。皮の裏側にも脂がたくさん付いているので、これも小さく刻んで炒めるといい。醤油との相性がいいので、塩は少なめにして最後に醤油で味を調えるようにしたい。素材の旨みを楽しむために化学調味料のような旨み調味料は一切加えない。

チャーハン全般に言えることだが、油はラードを使うほうが旨みがあるのでおいしくできる。ラードがなければベーコンを最初に炒めて豚の脂を取り出すのも手だ。

できあがったチャーハンをほおばると、ほっくりとしたおいしさが口いっぱいに広がった。クロムツは脂が多いのに淡泊な魚なので、魚自体の味は薄い。ところが噛むうちに旨みがじわりとあふれ出てくる。それが具の旨さなのかそれとも米の旨さなのか判然としない。飲み込むと口いっぱいに広がった旨みがすーっと消えていく。べたべたとまとわりつくようなしつこさはなく、おいしさの余韻だけが残る。

自己主張がないのに存在感が強い。こういうのを名脇役と呼ぶのだろうか。

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2006.05.21

思いがけない相性

大好物で毎年楽しみにしているヤマメの薫製を今年もいただいた。阿蘇の渓流で釣った正真正銘の天然ヤマメだ。シングルモルトのウィスキーをチビチビやりながら味わうと、釣りの情景が浮かんでくる。渓谷深く入り込み、小さな淵で釣り上げたのかな、などと想像するのも楽しい。

山歩きが中高年の間でブームになっているが、自然の中で身体を動かしておいしい空気を吸えるのだから人気が出るのもうなずける。渓流釣りは、山歩きにプラス釣りという大いなる楽しみがあり、このうえない自然との関わり方だ。

渓谷を歩いているといろんな野草を見つけるのだろう。送られた包みの中にスズラン、フキが丁寧に添えてあった。スズランは少ししぼんでいたが、一輪挿しに入れてやると元気になった。

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フキは魚と一緒に煮付けてみたら想像以上においしかった。魚の旨みが染みだした煮汁をフキが吸い込み、奥深い味に仕上がった。魚が淡泊なマトウダイだったので、フキ独特の香りや苦みがいいアクセントになったようだ。煮魚とフキの相性の良さは思いがけない発見だった。

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魚はもちろん釣りもので、野菜も頂き物だが天然に自生していたものだ。昔ならなんの変哲もない料理が今では贅沢な食べ物になってしまった。自然の恵みを思いながら食べられることは贅沢なんだ、としみじみ箸を進めた。

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2005.11.06

フグおいしそうですね

sayaさんがブログを立ち上げられた。千葉エリアのの情報交換ができそうで嬉しい。

拝見するといろんな釣りを楽しまれているご様子。マルイカ、ヒラメは私が好きな釣りものでもある。今年のマルイカはぱっとしなかったけれど、ヒラメは期待できそう。12月からは常陸方面の海も解禁になり大物が狙えるのでsayaさんもきっと。

これからもよろしくお願いします。

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11月5日萬栄丸で釣ったクロムツ。サメの邪魔がなければ20尾はいったかも。

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2005.10.30

イクラ

会社帰りに駅前のスーパーに立ち寄った。日頃魚の卵類を買うことは滅多にないのだが、すごくきれいな生筋子を見て、つい買い物かごに入れてしまった。暖かいご飯にたっぷりのイクラをかけて食べてみたくなったからだ。

翌日、HPを検索してイクラの作り方を調べた。それによると生筋子をバラバラにしたのがイクラで、そのイクラを醤油調味料に漬けるとイクラの醤油漬けができる。生筋子は粒の一つ一つが薄い膜でつながっていて、外側を厚い膜が覆っている。この薄い膜をきれいに取り除かないと臭みがでるるらしい。

さっそく作業に取りかかる。外側の厚い膜は簡単に取れたが、薄皮はやっかいだ。粒に薄皮が張り付いているので、一つ一つ丁寧に取り除いていやる。それを何度も水洗いして膜の残骸を洗い流す。一腹の半分に1時間以上かかってしまった。

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薄皮が取れて完全にバラバラになったイクラを今度は調味液に漬ける。調味液は醤油6みりん2酒2の配合にした。酒とみりんはアルコールを飛ばすため一煮立ちさせた。そしてイクラをひたひたに浸けて冷蔵庫に寝かせる。半日寝かせると完成だ。

途中で取りだして2~3空粒食べてみたら、これが旨い。皮が柔らかくまったりと甘い。市販のイクラとは別物の、文字通り手作りの味だ。市販のイクラは薄皮を取るのに薬品か何かを使っているのかもしれない。人手で取っていたらえらく時間がかかってしまうので採算が合わないだろう。

醤油とみりんには贅沢しているが、生筋子もいい素材に恵まれた。スーパーで見た瞬間に、イクラを食べたいと思い浮かぶだけのインパクトがあった。おいしいよ、と訴えていたようだった。

明日の朝食はイクラをたっぷり乗せたほかほかご飯だ。

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2005.09.24

尺上を超えるヤマメ

渓流釣りでは一尺(約30.3センチ)以上のヤマメやイワナを尺上(しゃくがみ)と呼び、釣り人の憧れになっているそうだ。シロギスの大きさを表現するのにヒジタタキという言葉がある。魚をつかむと尾びれでヒジがたたかれるぐらい大きいという意味である。尺上もヒジタタキも滅多にお目にかかれない貴重な魚という意味でも使う。

もし滅多に釣れない憧れの尺上のさらに上を行くヤマメを釣ったら、どんなリアクションになるのだろう。膝が震える、頭が真っ白になる・・・など大物を釣った人の記事はこれまでもずいぶん目にしてきた。しかし言葉で表現できるのは感動のほんの一部だろう。言葉の限界をもどかしく思うに違いない。

大物の感動は釣った本人しか味わえないが、感激のお裾分けはいただくことができる。毎年ゴールデンウィークとお盆休みに阿蘇へ出かける友人から山の便りが届いた。江野さん親子が渓流で釣った天然ヤマメを薫製にして送ってくださるのだ。今回いただいたヤマメの薫製は感激を通り越して度肝を抜かれた。包みを開いて目に飛び込んできたのは見たこともない大ヤマメの薫製だった。

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写真をマウスでクリックすると拡大できるが、40センチのまな板から2センチほどはみ出ている。薫製にして42センチ。このヤマメは釣った本人の度肝も抜いたことは容易に想像できる。本人によると釣ったときは47センチあったそうだ。そうだろう。薫製にすると水分が抜けるので当然縮む。

ヤマメのアタリ、ハリ掛かりの瞬間、抵抗の強さ、ランディングの瞬間、最初に魚体に触れた感触などなど聞きたいことが山ほどある。電話やメールではなくて、この薫製を前にスコッチを飲りながら直接聞きたい。聞くうちに間接体験となり感動のお裾分けにあずかれるかもしれない。しかし東京と大阪の距離ではそれがかなわない。仕方がないので一人でちびりちびり飲みながら想像するしかない。

記念すべき釣果の薫製を恐縮しつついただいた。口に含むとほのかな燻煙香といっしょに江野さんのヤマメへの思いがわき上がってくるようだ。釣れてくれたことへの感謝と自然への畏敬の思いが。

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2005.02.11

タチウオのみりん干し

<<冬は干物がおいしくできる季節>>
タチウオほどみりん干しに向いている魚は少ない。特に1月~2月の脂が乗ったタチウオで作るみりん干しは旨い。塩焼きでそのまま食べてももちろんおいしいが、手間をかけることで生の魚にない味を引き出すことができる。白身の魚なのでクセがなく、3枚におろすとタレがなじみやすいことがみりん干しに向いている理由だろう。それに乾燥した空気が干物作りには適しているので、関東地方のこの時期はおあつらえなのだ。旬の魚を一番適した条件で作るタチウオのみりん干し。この味を知っってしまったら、誰もが冬のタチウオを釣りのターゲットにするに違いない。

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<<みりんのこだわり>>
みりん干しというからにはみりんに気を遣いたい。少し贅沢でも良いみりんを使うと味が一段とよくなる。いつも使っているのは白扇酒造の「福来純三年熟成本みりん」だ。このみりんは水と米にこだわり、伝統的な製法で醸造した本物のみりんだ。しかも3年間も寝かせて熟成の後に出荷するというこだわりの一品なのだ。このみりんを飲んでみて驚いた。すっきりとした甘さとさわやかな香りは「調味料」の域を超え、主役級の味わいなのだ。試しに他のみりんと飲み比べたら、その差は歴然だった。値段は少し高いが、このみりんにはそれ以上の価値があると思う。

みりん干しのたれにはたくさんのみりんを使うが、残ったタレは捨てずにペットボトルに入れて冷蔵庫で保存しておけば次回も使える。毎回注ぎ足せば一度に使う量はそれほど多くない。

【作り方メモ】
①タチウオを3枚におろす(注1)
②軽く塩をふって1時間ほど寝かせる
③②を水で洗って水分をよく拭き取る
④タレに2時間ほど漬ける(注2)
⑤白ごまをたっぷりふりかけてから日差しがいい場所に干す
⑥表面がしっとりと乾いたら取り込む
⑦1枚ずつラップで包み冷蔵庫で寝かせる(注3)

注1 中骨は柔らかいのでパリッと揚げるとうまい
注2 タレはみりん2:醤油1
注3 冷蔵庫で2~3日寝かせた方がおいしい

塩干物もなかなかいい味だが、どちらかというとみりん干しの方が香りを楽しめる。両方作って食べ比べると面白いだろう。【メモ】の③と④を省略すればできるが、白ごまは振らない。

<<手作りの面白さ>>
干物作りを始めたきっかけは、明石でアジがたくさん釣れたときに保存用に作ったのが最初だった。その後、保存食というより焼き魚をおいしく食べる方法として工夫すようになっていった。だから作る量はたいしたことない。せいぜい自分たちが一週間食べる分ぐらいなのだ。季節の魚を釣って、わずかばかりの干物を作ってちびちび食べるのがちょうどいい。たまに良い魚が釣れたときは少し多めに作って、親類やお世話になった方に差し上げている。手作りの干物は魚を生で差し上げるより反響が大きいので楽しい。

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2004.11.21

アラのスープストック

マゴチやヒラメなど白身魚のアラで作った潮汁は、じーんと痺れるぐらいおいしい。釣りたての新鮮な魚は臭みがないので香辛料などを使わなくてすみ、魚の味や香りを素直に楽しむことができる。青魚のアジやサバはよく「魚臭い」と言われるけれど、新鮮なうちは臭みなどない。青魚は鮮度が落ちやすいので、生臭くなるのが早いだけなのだ。

釣った魚をしっかり絞めて、きちんとクーラーで保存して持ち帰れば青魚からも「海の香り」がするはずだ。そんな新鮮な魚のアラの処置にはスープストックにするのが便利でいい。しかしスープを取るために身の旨みがなくなってしまうのはもったいない。カマなどの肉はおいしく食べられて、しっかりだしが取れるスープストックができないか試してみた。

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豆アジのアラからもいいだしが出る

①大きい鍋にたっぷりの水を張りだし昆布を入れる(料理に取りかかる前にやっておく)
②3枚(5枚)におろした魚の頭を二つに割り、中落ちは適当な大きさに分ける。カマは左右2分割する
③①をボールに入れて熱湯をたっぷりかける
④③を流水で洗いながら血合いや鱗を落としてきれいにしたあと水気を切っておく
⑤①に④を入れて火にかける
⑥沸騰する前に昆布を取り出し、沸騰したら弱火にしてアクを取り火を止める

何の変哲もないだしの取り方だが、水から炊くというところと沸騰したらすぐに火を止めるのがポイント。これで身から旨みが抜けるのをある程度防げる。もっと身をおいしく食べるには、水にアラを入れたときに塩なり味噌なりを溶いてしまうのだ。そうすると浸透圧?の関係で旨みが逃げ出さない。

大きい鍋に作っておいて、食べるときに必要な量だけを小さな鍋に移して加熱すればいい。味付けはそのときにする。こうすれば一つのスープストックで潮汁、みそ汁以外にも雑炊などいろんな料理に応用が利く。自分で釣って持ち帰った魚は、安心して骨の髄まで楽める。


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2004.10.20

ヒラメのカルパッチョ

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ヒラメは数釣りができる魚ではないが、型物が期待できるのが魅力だ。平べったい魚だけどある程度のサイズならばけっこうたくさんの身が付いている。5枚におろして身を4つに分けると、意外と肉厚でずっしりとした重量感に驚かされる。

いつも取り分けた身を前にしてどう料理しようか迷う。これだけの量だと刺身だけではとても食べきれない。ポン酢とモミジおろしで食べればあっさりしていくらでも入りそうだが、それにも限度がある。そこで味に変化をつけて刺身とは別のおいしさを味わおうとカルパッチョを作ってみた。

インターネットで調べて作ったり居酒屋で食べてみたりしたが、味と香りが強すぎてどんな魚を食べているのかよくわからなかった。白身魚の味は淡泊なので、魚本来の持ち味を損なわないためには軽い味付けがいい。そこで思いついたのがポン酢を使ったカルパッチョだ。ヒラメはもともとポン酢とよく合う魚なので、ポン酢とオリーブオイル使えばいい味になるとひらめいたのだ。

【ヒラメのカルパッチョ数あれ風】
①ポン酢とオリーブオイル2:1の割合にスダチの絞り汁を加えよくかき混ぜる
②さいの目に切ったトマトと茹でたブロッコリーを冷蔵庫で冷やしておく
③ヒラメを5枚におろし薄くそぎ切りにする
④②を皿に盛ってからその上に③をかぶせるように敷く
⑤④に塩とコショーを振りしばらくなじませてからケッパーを散らし①をかける

何回か作るうちに①の配合と⑤の塩加減がわかってきた。そして何よりありがたかったのがSJともきさんのアドバイスだった。ブロッコリーとトマトを敷くことを教えて頂いたのだ。ブロッコリーはポン酢とオリーブオイルのドレッシングに絶妙に合うのだ。ヒラメを薄く切るのは敷いてあるブロッコリーの色が透けるようにするため。こうすると彩りがよく見た目も楽しめる。ただし、ヒラメの味を深く楽しむなら厚く切った方が良さそうだ。ここのところは好みとその日の気分しだいというところだろう。

ポン酢はS名人から作り方を教えてもらったもので、このポン酢を使うようになって市販のものには手が出なくなった。「数あれ風」とはうたっていても、肝心の部分は料理と釣りの両プロのご指導によるものだ。初めてのカルパッチョだったが、意外とおいしかったのでこれからは別の魚でも試してみようと思っている。青魚にはネギ、青葉、ショウガ、にんにくのように香りが強い野菜を使うのもおもしろいかもしれない。

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2004.08.29

薫製をいただく

今年の夏は全国的に猛暑が続き雨も少なかった。渓流釣りにとっては条件が悪かったに違いない。にもかかわらず阿蘇に行った友人から山女魚の薫製をいただいた。条件が思わしくなかったかもしれないのに、すごく立派な山女魚だ。さっそくマッカラン12年をちびりちびりやりながら堪能させてもらった。

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今にも泳ぎ出しそう
敷いてあるハーブもいっしょに届いた

いただく薫製はいつも薄iい塩加減に作られているのが嬉しい。スモークもちょうどいい具合で、薫煙の香りと魚の旨みが絶妙にマッチしている。薄塩で香りと旨みのある魚なので、長くおかずに新鮮なうちに食べなくてはせっかくの味が落ちてしまう。保存食とはいえ素材が魚だけに、早め早めに食べるのがおいしさを逃がさないコツだろう。そう思ってぺろりと平らげてしまった。

かねてから魚を食べることに関してはに日本人ほどノウハウを持つ民族はないだろうと思っていたが、こと薫製に関しては別のようだ。薫製の歴史はわからないが、おそらく寒い地域の冬の保存食として考え出されたのではないだろうか。材料として鮭、ソーセージ、ハム、肉、チーズ、牛タンなどを使うことから遊牧民族の知恵なのかもしれない。魚を煙でいぶすという発想は日本人からは湧いてこないのではないか。製法に馴染みがないだけに、そのおいしさには毎回新鮮な驚きを感じている。

いただいた薫製がどうしておいしいのか考えてみた。薫製の製法そのものが魚をおいしく食べる「理」にかなっているのはもちろんだ。しかしどうして市販の薫製に手が伸びないのだろう。デパ地下に行けばいろんな種類の薫製が売られているが、そこに並んでいるものを食べたいとは思わない。薫製に限らず干物でも、市販のものは化学調味料で味をごまかして、合成着色料や防腐剤まで添加しているものがほとんどだ。大量生産するために手間を省いているので、味が薄っぺらく感じてしまう。それと比較すると友人の薫製は材料から作り方まで全部本物で手間を惜しんだりしていない。友人から送ってもらう薫製を心待ちにするのは、そこに真心がこもっているからなのだろう。味を左右しているのはテクニックではなく、釣った魚をおいしく食べてやろうという感謝の気持ちとおいしく食べてもらおうという真心なのだ。

薫製はもう食べてしまったけれど友人の真心はいつまでも残っている。来年の渓流シーズンが今から待ち遠しい。

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2004.08.11

シロギスの干物

飯岡のシロギスは予定通り干物にした。56尾のうち大きい方の30尾近くが干物になった。これだけあれば当分は干物を買わずにすみそうである。干物は冷蔵で1週間、冷凍で1ヶ月間はおいしく食べられる。それも干してから3日以上たったものがおいしい。きっと冷蔵庫の中で熟成が進むのだろう。日々おいしくなっていく干物に食べるのがもったいないぐらい愛着が湧く。と、いっても食べるときは惜しげもなくばりばりいただくのだが。

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透明で上品なシロギスの干物
干物の女王と呼びたい


干物にこだわってます」に書いたように干物は魚の鮮度と塩と日光が決めてである。このうち人知でコントロールできないのが日光だ。今回もさばいた翌日が快晴の干物日和になったことは、釣果と相まってたいへんありがたいことだった。社宅のベランダは夏は日光が射さないので、駐車場のフェンスに干し網をぶら下げた。干物を運ぶエレベーターに同乗した人に怪訝な顔をされた。干物を自分で作るという発想は、釣りをしない普通の人には生まれないのかもしれない。直射日光に1時間半ほど当てたらちょうどいい加減になった。それを1枚ずつラップしてジップロックに小分けしてから冷蔵庫に入れた。1週間で食べきれない分は冷凍庫に移す。

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備長炭で焼く
アツアツを頬ばればあとはもう

まだ若いけれどもさっそく七輪で焼いて試してみた。塩分がちょっと多かったかなという以外は非常によくできたと自賛したい。干物といいながら刺身でも食べられる鮮度なので、軽くあぶってしっとりとした焼き加減にした。干物に焼きすぎは禁物だ。特にシロギスのように身が薄い魚ほど焼きすぎると味が台無しになってしまう。その点、七輪で焼くと表面はぱりっとしながら中はしっとりと焼き上げることができる、まさに干物にはうってつけの焼き方だ。

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2004.07.25

山椒が効いたマルイカの沖漬け

マルイカもそろそろ終盤かと思いきや、萬栄丸のHPでは景気のいい釣果がアップされている。マゴチ、マルイカとも絶好調のようだ。ここで釣りものの選択で迷いがでた。未経験だが旬の食材のマゴチにするか、沖漬けが魅力のマルイカにするか。マルイカは回数を重ねてだいぶ慣れてきたが、沖漬けの新しいレシピを試してみたかった。それに来週はもう釣れなくなっている可能性もある。ということで、マルイカを選んだのだが、これが吉と出るかそれとも・・・。

萬栄丸の朝船は5時出船。これまで午後船ばかり乗っていたが、海水浴シーズンとなり、午後船では行きの道路が混雑すると読んで朝船にした。その読みはズバリ的中して、行きも帰りも渋滞知らずでスイスイ運転できた。しかし、肝心の釣りは読みが見事にはずれてしまった。5時から13時までの8時間、終始渋いノリで爆釣とか入れノリと形容する時間帯が全くなかった。乗船者は6名だったが、皆さん同じようにぽつりぽつりと釣れるぐらい。結局釣果は17ハイに終わってしまった。

釣っているときに海上を小魚がばしゃばしゃと飛び跳ねるのを何度か目撃した。きっとスズキか青物に追われているのだろう。小魚はもしかするとイワシかもしれない。聞いた話では毎年イワシの群れが入ってくるとマルイカは釣れなくなるのだそうだ。そういえば仕掛けにゴツゴツと何かが当たるような感覚があった。これもイワシの「魚信」なのかもしれない。そうすると今回がマルイカの今シーズンの釣り納めということになる。

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山椒の実
茹でてアクを取ってから冷凍庫に入れておくと
いろんな用途に使える


どうしても試したかったのが山椒が効いたマルイカの沖漬け。八百屋の店先で青い実を見つけて、マルイカの沖漬けに入れたらうまいかもしれないと思った。そのままではえぐみが強いので、20分ほど煮てから沖漬けのタレに入れて釣り場に持ち込んだ。そして手返しが悪くなるのを承知で、マルイカを釣った端からこのタレに漬けていった。17ハイしか釣れなかったけど沖漬けを優先したので、そこそこの数は作ることができた。さて、味の方はというと。

ピンポーンのうまさだった。山椒の香りがイカによく染みていて、噛むほどに口中に広がる。もともとイカは香りを楽しむ素材ではないが、山椒と合わせることで、味、香り、歯ごたえの3拍子揃うことになった。それに「山椒は小粒でもぴりりと辛い」と言われるようにスパイスとしての辛さも加わって、文字通りひと味違う沖漬けになった。

今シーズンはもう沖漬けを作るのは最後になるかもしれないが、来シーズンは山椒以外にもいろんな香辛料を使って沖漬けを作ってみたい。

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2004.06.19

メバルのそのまんま焼き

大阪に住んでいたとき一年の半分近くはメバルを釣っていた。沖釣りの入門がメバルだったことと、ホームグラウンドだった明石のメバルがめちゃうまかったからだ。鍵庄という船に毎週のように乗っていたので、船頭さんや家族の方にも親しくしていただいた。実はその縁でS名人と知り合うこともできたのだ。ところが名人は5月末に千葉事業所の仕事が完成し、大阪に帰任してしまった。もっといろんな釣りをご一緒したかったので残念でならない。

その名人が明石のメバルを送ってくれ、食べ方まで教えてくれた。メバル料理はほとんど作り尽くしたと思っていたら、盲点を突かれるような料理法だ。タイトルの通りメバルを丸ごとそのまま焼く。鱗も取らずはらわたやエラも取らない、文字通りそのままの姿で焼くのだ。こんな焼き方ではたしてうまいのか。半信半疑で試してみたら目からウロコの旨さだった。

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炭で焼くと遠赤外線の効果で中までしっかり火が通る
そのまんま焼きにはぴったりの焼き方だ


普通の塩焼きの場合、はらわたを取るのでメバルの腹に穴が開き空気が入る。それがこの焼き方だと、腹腔が閉じた状態で焼かれるため、内側が蒸し焼きになる。そのため身の水分といっしょに旨みが閉じこめられるという寸法だ。魚はトロがおいしいけれど、この部分は身が薄いので旨みを閉じこめておくことが難しい。生で食べる場合は問題ないが、煮たり焼いたりするとどうしても旨みを逃がすことになる。それを解決するのがそのまんま焼きだ。さらに鱗が火から魚の表面を保護する役目をはたすので、しっとりとした焼き上がりにできる。

この料理は作り方が簡単なだけに素材がものをいう。はらわたやエラは痛みやすいので、新鮮なうちに焼いて食べなければならない。自分で釣るか新鮮な魚をまるごと売っている店でしか手に入らない素材だ。料理法は素朴で大胆、そのわりに旨みの密度が濃い、魚のいいとこ取りをした料理法だと思う。これで好きなレシピが一またつ増えた。

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2004.05.22

典雅なムツ

先週のムツをいろんな料理で楽しんだ。この魚の味を一言で表すなら、典雅ということばが思い浮かぶ。不細工な魚ほどおいしい、とは釣り人の間でよく言われることで、この魚もおよそ外形からは想像ができない典雅で繊細な味の持ち主だった。

今回のメニューは刺身、煮付け、唐揚げ、味噌漬けそして干物だ。初めて釣りそして食べる魚なので、どんな料理が合うのかわからなかった。そこでいろいろ試してみることで、魚の特徴に合った料理法を探すことにした。

<刺身>
薄くそぎ切りにしてポン酢で食べた。醤油だと醤油の味と香りが勝ってしまうので、ポン酢の方がよかった。紅葉おろしをちょっぴり加えると、味に締まりがでた。ムツの身はとても柔らかく歯ごたえはほとんどない。その代わり、とろけるような舌触りでかまなくても味わうことができる。けっこう脂がのっていたのにさらりとしていて、しつこさは全くなかった。柔らかく脂ののりが上品で味に奥行きがある刺身だ。

<煮付け>
刺身にできるほどのムツなので煮付けても身に弾力があり、煮汁をはじくぐらいのつやがあった。思ったより脂が多く、それが旨みになった。肉厚の魚なので、ほっこりした身をほおばるように食べることができる幸せを味わえた。魚を鍋から出して、煮汁を煮詰めるととろみが出てくる。それをソースのように魚に垂らす。身を食べるときにソースに絡ませるとムツの淡泊さをソースが補ってくれる。ムツ自身から出ただしで作ったソースなので、合わないわけがない。

<唐揚げ>
皮を引かず一口サイズに切って揚げた。衣は片栗粉をうっすらとまぶすだけ。それがよかったのか、口に含むと淡雪のようにふんわりとした歯ごたえが返ってきた。熱を通すことで味が活性を持ったようだ。淡泊なのがかむほどにムツ本来の味が出てきた。レモンを数滴垂らして昆布塩にちょんとつけただけの食べ方が絶妙に合った。ふわりとした歯ごたえに続いて淡泊ながらもしっかりとした魚の味がわかる唐揚げだ。

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七輪で焼く干物

<干物>
おいしいはずという確信はあった。しかし今回は天気が悪く、冷蔵庫の中で乾燥させたことでちょっぴり不安はあった。それが一切れ口に含んだら感激に変わった。魚の味が淡泊なので、昆布塩の効果が高まったようだ。期待通り味にふくらみがでた。干物は七輪で焼いた。炭は和歌山から取り寄せた備長炭。干物をおいしく食べるには炭で焼くに限る。魚からぼたぼたと落ちる脂が煙になって魚をいぶすのので、ちょうど薫製のような効果で香ばしさが増す。この魚、干物にすごくあう。ただし自ら釣って作るしか入手法はなさそうだ。

<味噌漬け>
淡泊な魚なので西京みそに漬けたかったが、あいにく近所には売っていなかった。仕方ないので白みそを使うことにした。みりんと酒で伸ばしたみそをタッパーに敷き、キッチンペーパーを乗せた上に切り身を並べる。またキッチンペーパーをかぶせてその上からみそをかぶせる。そして冷蔵庫で3日間眠らせた。これも干物と同じように七輪で焼く。味噌漬けは焦げやすいので、網を使わず金串にさして焼く。遠火の強火でじっくり焼いた。ムツは白身の魚なので味噌漬けとの相性はばっちり。みそが身を絞めてくれるので、味が濃厚になる。それにみその香りがマッチして香りと味の調和がすばらしい。

どの料理もそれぞれムツの繊細な味を引き出してくれたと思う。むしろおいしい魚にはあまり手をかけない方が素材そのものの味が楽しめていいのだろう。おいしい魚を釣ったら魚を生かす料理で食べる、そこで釣りが完結するのかもしれない。

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2004.05.15

ヤマメの燻製-山と人の恵み-

今年も九州の友人から自家製の薫製が届いた。阿蘇の渓流で釣った天然のヤマメだ。友人は毎年ゴールデンウィークに親子で入渓し、釣り三昧の日々を過ごす。釣果のヤマメやイワナはほとんど薫製にしているそうだが、いただく薫製には必ず30cm前後の尺クラスが混ざっている。めったに釣れない尺イワナや尺ヤマメの薫製は、味もさること姿かたちに見惚れてしまう。

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尺ヤマメの燻製

このクラスになると魚は形相が違ってくる。顔つきは厳ついけれども凛としていて、神々しさすら感じる。厳しい自然環境のなかで大きくなるまでには、幾多の困難や命の危険があっただろう。それを乗り越えて生き残ったものだけに宿る、生命の威厳とでもいうしかない。その命を封じて凝縮したのがこの薫製である。

薫製の一片を口に含むと、スモーキーフレーバーが鼻腔の奥まで広がりしばし淘然となる。そしておもむろに酒を含むと、口の中で薫製の旨さと香りが華開く。薫製にはスモーキーフレーバーが強い、シングルモルトのスコッチウィスキーがよく合う。スコッチはオーク樽にピートの薫煙香を移す。それが年月を経ることによって、スコッチ独特の成熟した香りになるのだ。普通は香りが強いもの同士だとぶつかり合って風味を損なうものだが、薫製とスコッチは同系統の香りなので引き立て合うのだろう。数片の薫製とスコッチさえあればもう何もいらない、というより他のものが入り込む余地がない。

おいしい魚がたくさん釣れる(はずの)沖釣りも、それはそれで魅力的だが、山や渓谷に入り込み自然に抱かれての釣りにも憧れてしまう。渓流の貴重な魚を釣って丁寧に調理して食べれば、自然への感謝の気持ちを強く抱くようになるに違いない。今夜も薫製でスコッチをちびりちびりやりながら、自然の恵みと人の恵みに感謝したい。

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ハイランドパーク12年

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2004.05.03

干物にこだわってます②

<日光は調味料>
魚を干すときはできるだけ直射日光に当てた方がいい。なんでも塩と紫外線がタンパク質をアミノ酸に変えるそうだ。日光が干物に旨みを加えてくれるということらしい。確かに一夜干しと日光に当てた干物では旨さに違いがあるように思える。市販の干物用網を使っているが、上、中、下段で日光の当たり方が違うので、上から順番に取り込むようにしている。干す時間の目安は2時間~4時間ぐらいで、天気や湿度によって変わっってくる。表面が乾いたら完成だ。一枚ずつラップでくるんで冷蔵庫に保管する。冷蔵庫の中で熟成して4日目ぐらいが一番おいしい。たくさんあるときは冷凍しても1ヶ月ぐらいなら味は落ちない。

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干し網は大きめのものが使いやすい

<切れる包丁で>
包丁についてひとこと。魚の開き方は背開きでも腹開きでもかまわないが、切れる包丁でさばくことだ。切り口が乱れていると見た目が悪いし味にも影響する。出刃包丁は普通のサイズ(刃渡り15,6cm)と小出刃がほしい。小さい魚でも干物にすればおいしいので、小出刃を使って手際よく開けばいい。干物にすると皮もおいしいくなるので、鱗を取っておくといいだろう。

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腹開きにした金谷の金アジ


<いろんな魚で試してみたら>
これまでいろんな魚を試してみたけれど、干物に向かない魚はなかった。アジ、サバ、イワシは青魚の御三家として位置は確立している。メバル、ガシラ(カサゴ)の根魚も白身がほっこりして良かった。ベラ、イサキ、キスは上品な白身で何匹でもいける。ウマヅラハゲ、タチウオはみりん干しによく合った。みりん干しは塩の代わりに漬けだれに漬けるだけだ。漬けだれは、醤油2:みりん1:酒1の配合にしているが好みで変えればいい。甘いのが好きならば砂糖を入れてもいい。

<釣った後のお楽しみ>
おいしい干物を自ら作って食べることができるのは釣り人の特権だろう。何回か買ってきた魚で干物を作ってみたけれど、全く比較にならなかった。鮮度だけではなく釣った(捕った)あとの処理や輸送中の保管法などが違うのだと思う。自分で釣った魚は絞め方から保冷法まで万全の手が尽くせる。まさに最高の状態で台所に届けることができるのだ。釣った後の楽しみをもっと大きくするために最高の魚を最良の食べ方にできるよう工夫したい。

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干物にこだわってます①

釣った魚の干物はおいしい。たくさん釣れたときに干物にしておけば長持ちするし、人にあげても喜ばれる。干物なら冷凍すれば1ヶ月ぐらいは味が落ちない。良くできた干物は、魚を生のまま焼くよりも格段に味わい深い。保存食としての価値だけでなく魚をよりおいしく食べる知恵である。

干物の作り方はシンプルな方がいい。調味料を加えて味付けするよりも、塩と日光だけで作る方が素材の良さを引き出すことができる。それだけに、魚の善し悪しと塩の加減は干物の味を左右するほとんどだといってもいい。そのほかの要素もいろいろあるが、基本はそうだ。

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釣ったばかりの新鮮なアジは光っている

<魚の絞め方>
魚の良さはまず鮮度で決まる。干物にしておいしい魚は刺身で食べてもおいしい。釣った魚をおいしく食べるためには、活きているうちに絞めなければならない。刺身で食べるなら血抜きが欠かせないが、干物にする場合は絞めるだけで血抜きの必要はない。それどころか血抜きするために中骨を切ってしまうと姿形が悪くなってしまう。魚に傷を付けないで絞める方法がある。それは水塩といって、氷を入れた海水に活きたまま入れて急速に冷やすのだ。それで魚は瞬間に絞まる。そのときの注意として、水塩に長く入れておくと魚がこちこちになって味が損なわれるので、絞めたらすぐに取り出すこと。生け簀を設備している船なら、最後に絞めて持ち帰るときは海水を抜けばいい。

魚には旬がある。他の料理と同様、干物にするのも旬の魚がおいしい。旬の魚にはほどよく脂が乗っていて、脂に旨みが凝縮されている。脂の乗った干物を焼くと、じぶじぶと泡がわき出てきて見るからにおいしいそうだ。旬の魚を釣って鮮度がいいときに干物にするのが、うまい干物作りには欠かせない条件だ。

<塩にも一手間>
塩の専売制が廃止されていろんな塩が売られるようになってきた。専売公社の「アジ塩」という化学合成で作った塩はひどかったけれど、最近売られている天然の海水を使った塩はおいしい。そのままでも十分干物に使えるのだけど、ちょと一手間かけると味のふくらみが増す。

ずいぶん前だが東京・赤坂の焼鳥屋をテレビのグルメ番組が紹介しているのを見た。その焼鳥屋は材料から焼き方までたいへんにこだわっている店で、並び客が出るほどの賑わいだそうだ。その番組で目を引いたのが塩だった。焼鳥屋は塩にこだわっていて自家製の塩を作っていた。粗塩を昆布だしに浸して、だしをしみこませてから鍋で煎って水分を飛ばすというのだ。

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鍋で塩を煎る

その手法を干物に使ってみたらかなりいいできに仕上がった。普通の粗塩よりも旨みが増して、味に柔らかなふくらみが出てきた。昆布から出るグルタミン酸と魚から出るイノシン酸の相乗効果ではないかと思う。

一般的な干物は塩水につけて作るが、一手間かけた塩を使うには振り塩がいい。尺塩といって、30cmぐらいの高さから振ればむらのない振り塩になる。尺塩をするには塩が湿っていてはだめで、乾燥した塩でなければむらになってしまう。その点、昆布だしから鍋で煎って水分を飛ばした塩なら使いやすい。ただ、塩の粒が大きくなるのですり鉢であたった方がいいだろう。この塩を他の料理に使えばいい味を出すことができる。たとえば魚の天ぷらやフライにレモンを搾って、この塩にちょんと付けて食べればひと味おいしくなる。おにぎりならてきめんに効果が出るだろう。

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すり鉢であたりきめ細かい塩にする

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