2004.07.25

【改訂】名人の仕掛け巻き

先週名人の仕掛け巻きを紹介したら、名人からチェックのメールが届いた。巻き方を間違えているそうだ。マルイカのスッテ仕掛けの方は合格をもらえたが、ムツの胴突き5本針仕掛けはNG。名人からもらったオニカサゴの仕掛けと比べたらその違いは歴然。名人が巻いた仕掛けは鈎が棒に整然と引っかけてあり美しい。それに比べてこちらのはベタである。すぐに巻き直して改訂版をアップさせていただいた。

釣りの仕掛けほど目的のために機能を絞りこんだ道具はない。対象の魚を釣るための必要かつ十分な性能を備えること、この一点に照準を合わせて作られている。そこにデザインや色などで釣り人の嗜好が入り込む余地などいっさいない。むしろ釣られる魚にあわせ、あの手この手のバリエーションが数限りなく作られている。その点がリールや竿のような大道具と違う点だ。

とことんまで機能を追求し、よけいな飾りをいっさい排除した究極のデザインを機能美と呼ぶ。名人の仕掛け巻きに巻いた自作の仕掛けに機能美を感じ、うっとりしてしまうが、自画自賛の仕掛けが釣果を約束しないことは言うまでもない。

mutusikake.JPG
これが正しい巻き方
巻き上がりが美しいと釣れたような気になってしまう

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2004.07.19

名人の仕掛け巻き

S名人と金谷のタチウオ釣りに行ったときだった。名人がバックから不思議なものを取り出した。金属製の棒にタチウオの仕掛けが何本か巻いてある。ちょっと見ただけではどういう仕組みで巻かれているのかわからないが、整然とコンパクトに巻かれているのを見て、直感的に便利な道具だと感じた。

釣れているときの仕掛け交換は時間との戦いだ。もたもたしていると時合いを逃してしまうし、あわてると手前祭りなどのトラブルが起きやすい。簡単に巻けて手際よく交換できる仕掛け巻きがあればさぞかし便利だろう。釣り具ショップで売っている仕掛け巻きはいまいち使いにくいので、これまでDIYで材料を買って自作してきた。といってもたいしたものではなく、タッパーのサイズに合わせてウレタンの板を切って、端にラバーを貼り付けただけのものだ。鈎はウレタンに刺したりセロテープで貼ったりした。この仕掛け巻きは鈎がはずれやすく、大きい鈎だと使いにくいのが欠点だ。

名人の仕掛け巻きは、太い棒の上に3本の細い棒が立っていて、細い棒に鈎を引っかけてエダスや幹糸を巻くようになっている。エダスと幹糸を交差させて引っ張るので、エダスがゆるんで鈎がはずれることがない。細い棒の間隔が同じではないのがポイントで、エダスの長さや幹糸の間隔によって3本の棒を使い分けるようにする。それでどんな長さのエダスにも、どんな間隔の幹糸にも対応できるようになっている。胴突き仕掛けはもちろん天秤仕掛けの3本鈎4本鈎仕掛けも巻ける。長いハリスを何本も巻くのにも便利だ。仕掛けの最後はゼムクリップに引っかけて輪ゴムで細い棒に固定する。

名人の仕掛け巻きと書いたけれど、仕掛け巻きそのものは漁師が考え出したものらしい。「名人の」と付けた理由はその材質にある。以前名人が市販の仕掛け巻きを使ったら、仕掛けの張りで仕掛け巻きが曲がってしまい、巻いていた仕掛けが勝手にほどけてしまったらしい。そこで名人は知り合いの鉄工所の社長に頼んで、曲がりにくいステンレスでこの仕掛け巻きを作ってもらったのだ。ステンレスだから錆びに強く耐久性も向上した。

そんな便利な仕掛け巻きをまた発注すると聞いたので、1本1,000円で分けてもらった。市販のプラスチック製の仕掛け巻きが600~700円なのでちょっと高いが、耐久性と使い勝手を考えたらお得な買い物だと思う。これも一生モンの道具だろう。

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マルイカスッテとムツ仕掛け(5本鈎)
ムツの仕掛けは2本巻いてある

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スズキの鈎
長いハリスにも使える

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2004.06.26

甘い大根

■「甘い」と「うまい」は違う
大根は辛いものと相場が決まっている。大根おろしにしらすをまぶしただけのしらすおろしは、大根が辛くなければ気の抜けたコーラのようなものだ。ところが最近の大根は甘くなって、がつんとしたパンチに欠けているように思う。インターネットで調べてみるとやっぱりそうだった。辛くない品種の青首大根が大量に流通して、辛い品種の大根を駆逐してしまったようだ。作りやすく形が整っているというのがその理由らしい。生産者と流通の都合で消費者は甘い大根を食べさせられているというわけだ。消費者も甘く見られたものだ。

甘くなったのは大根だけではない。トウモロコシも「スイートコーン」という品種ができるほど、甘いものが好まれるようになっている。その影響で昔ながらの穀物らしい香りのするトウモロコシが店頭から姿を消してしまった。ほかの野菜や果物の中にもやけに甘すぎる品種が多いと思う。消費者の嗜好のの変化と言ってしまえばそれまでだが、甘さばかり求める傾向はいかがなものだろう。

確かに食べ物にとって甘さは重要な要素だ。果物の甘さは完熟を感じさせ、人を惹きつける。しかし甘さだけが強められ他の味が犠牲になると、本来の味を失った別の食べ物になりかねない。料理は素材の味を生かすように手を加えるのだから、辛いはずの大根を甘くされたら困るのだ。甘、辛、酸、苦その食べ物が本来持っている味を、しっかり味わえる食べ物であって欲しい。「甘い」は「うまい」の一部なのだから。

■ちょっとした工夫で
甘くなった大根だけど、少しは辛く食べる方法がある。それはいいおろし金を使うことだ。ワサビを鮫皮でおろすと、辛さとつんとくる刺激が強まり香りも数段良くなる。それはワサビの細胞をきめ細かく磨りつぶすことで細胞が破壊され、中に閉じこめてある辛さや香りの成分を取り出すことができるからだ。同じように大根もきめ細かく固いおろし金でおろせば辛みをより多く取り出せる。

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甘い大根に喝!
これで少しはピリッとさせよう

いいおろし金といってもステンレス製の3,000円~4,000円で売っているので十分だ。もしかするとこれ一つで一生持つかもしれないので、安い買い物だと思う。しっぽの方が辛いそうなので、大根おろしにはこしっぽの方から使えばいいだろう。しかし、こんな努力をしなくてもいいように、品種を改良して辛い青首大根を作ってもらいたいものだ。

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